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肺がん
図1 悪性新生物の主な部位別にみた死亡率(人口10万対)の推移(男)
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図2 悪性新生物の主な部位別にみた死亡率(人口10万対)の推移(女)
胸部CT検査
肺がんは咳や血痰などの症状を伴わないこともあり、早期に発見する手段として検診が重要です。肺がん検診として、胸部X線検査が行われていますが、最近、胸部低線量CTが喫煙経験者の検診に有効と報告されており、当院の健診部でも行っています。
診断は、CT等の画像検査に加え気管支鏡下肺生検を行うことで組織を採取し確定診断を行うことが多いです。
肺がんの危険因子として喫煙は最も影響が強く、タバコを吸う人は吸わない人と比べて男性では4.4倍、女性では2.8倍、肺がんになる危険が高くなります。喫煙しないことを強くお勧めしますが、自分で禁煙することが難しい患者さんのために当院では禁煙外来も開設しています。
診断は、CT等の画像検査に加え気管支鏡下肺生検を行うことで組織を採取し確定診断を行うことが多いです。
肺がんの危険因子として喫煙は最も影響が強く、タバコを吸う人は吸わない人と比べて男性では4.4倍、女性では2.8倍、肺がんになる危険が高くなります。喫煙しないことを強くお勧めしますが、自分で禁煙することが難しい患者さんのために当院では禁煙外来も開設しています。
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当院の肺がんの治療方針
肺がんの治療には、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤による治療)があります。肺がんの診断後、がんの広がり(病期)に応じて、治療を選択しますが、呼吸器外科、呼吸器内科、放射線科が連携し、肺癌診療ガイドラインに則って、最善の治療を選択できるように治療方針を検討しています。 診断時からがん看護専門看護師や緩和ケア認定看護師などと共に様々な苦痛の軽減に努めるようにしています。
がんが肺に限局している場合は手術が最も予後を改善します。痛みの少ない手術として完全胸腔鏡下肺葉切除術(3㎝、3㎝、1.5㎝の3か所の創)をおこなっており、最近は症例により単孔式完全胸腔鏡下肺葉切除(4㎝の創1か所)も取り入れ更なる低侵襲手術を提供しています。
手術前後より呼吸器リハビリを行い、肺機能の低下している患者さんや80歳を超える患者さんでも安全に手術ができるよう努めています。
2名の呼吸器外科専門医が手術を担当し、定期的に呼吸器内科や放射線科と協議しながら最善の治療を提供できるように努めています。
がんが肺に限局している場合は手術が最も予後を改善します。痛みの少ない手術として完全胸腔鏡下肺葉切除術(3㎝、3㎝、1.5㎝の3か所の創)をおこなっており、最近は症例により単孔式完全胸腔鏡下肺葉切除(4㎝の創1か所)も取り入れ更なる低侵襲手術を提供しています。
手術前後より呼吸器リハビリを行い、肺機能の低下している患者さんや80歳を超える患者さんでも安全に手術ができるよう努めています。
2名の呼吸器外科専門医が手術を担当し、定期的に呼吸器内科や放射線科と協議しながら最善の治療を提供できるように努めています。
- 院長谷田 信行
- 第三外科副部長松岡 永
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- 3巧式手術
- 単巧式手術
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術後のフォローとしては、肺癌の進行度により内服抗癌剤を2年間内服したり、点滴抗癌剤を約4か月行う必要があります。進行度にかかわらず4~6か月ごとに腫瘍マーカーやCTをとりながら5年間は経過観察する必要があります。手術後も再発する可能性はあり、その場合は抗癌剤治療を行うことが多くなります。
肺に限局していても手術が困難な状態であれば放射線治療や抗がん剤と放射線治療を組み合わせた治療を行います。また、脳や骨などの転移に伴う症状があるときに、これらの症状を少しでも和らげるよう、症状緩和のための放射線治療も行っています。
肺以外にもがんが広がっている(転移がある)場合には抗がん剤による治療が主体となります。薬は従来の抗がん剤に加えて、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬を用いた治療も行っており、患者さんの状態に応じて最適な抗がん剤が選択しています。また、日常生活を大事にできるよう、外来での治療が中心となっています。
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最新がん統計によれば、がん全体で肺癌に罹患した人は男女ともに4位(2017年)ですが、がんで死亡した人は、男性では肺がんが1位で(図1)、女性では大腸がんに次いで2位(図2)(2018年)となっています。