平成27年度 高知赤十字病院 DPCデータによる病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 615 162 296 523 613 845 1849 2061 1909 545
【定義】
 平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に一般病棟を退院した患者数です。当院には結核病床があるため結核病床に入院した患者は含まれていません。
 年齢は入院時の満年齢です。
【解説】
 当院は、救命救急センター及び地域医療支援病院であり「救急搬送患者」や「紹介患者」を中心に入院医療を提供しています。
 高知県の高齢化率は31.1%と全国平均の25.1%を大きく上回っており、それを反映するように60歳以上の患者が7割弱を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患、手術なし、手術・処置1 1あり、手術・処置2なし、定義副傷病なし 231 2.8 3.07 0.9 69.1 心臓カテーテル検査(足より)
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上)、手術なし、手術・処置等2なし 213 16.4 14.34 16.0 74.5
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患、経皮的冠動脈形成術等、手術・処置1なし、1・2あり、手術・処置2なし 165 2.9 4.87 1.2 69.9 経皮的冠動脈形成術・冠動脈ステント術(足より)
【定義】
 各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類について、DPCコード、DPC名称、患者数、当院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を掲載しています。なお、患者用パスについては公開していません。
【解説】
 当院の内科は、一般内科、糖尿病腎臓内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科で治療をおこなっており、患者数も全体の36.4%を占めています。
 循環器疾患と高齢患者の肺炎が上位1位から3位を占め、狭心症、慢性虚血性心疾患の心臓カテーテル検査が1位となっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)、手術なし、手術・処置2なし、定義副傷病なし 211 6.6 6.17 1.4 0.0 低出生体重児
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満)、手術・処置2なし 107 5.0 5.72 0.0 1.2 小児気管支炎・肺炎
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎、手術・処置2なし 52 3.6 5.50 0.0 4.3 小児急性胃腸炎
【解説】
 当院の分娩件数は年間500例程あり、新生児・未熟児に対して必要な治療を行っているため新生児症例が1位となっています。
 また、小児科患者の6割強が上位3疾患となっており、呼吸器疾患、消化器疾患が多いことを示しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx03xx0x 虫垂炎、虫垂切除術、虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等、定義副傷病なし 68 4.4 5.56 1.5 40.8 虫垂切除術
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等、腹腔鏡下胆嚢摘出術等、手術・処置1なし、手術・処置2なし 54 6.0 7.84 3.7 65.0 腹腔鏡下胆嚢摘出術
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)、腹腔鏡下胆嚢摘出術等 50 5.7 6.96 0.0 63.3 腹腔鏡下胆嚢摘出術
【解説】
 外科は、消化器外科、呼吸器外科、乳腺・甲状腺外科、救急医療等、幅広い疾患を取り扱っており、患者数も内科の次に多い14%を占めています。
 虫垂炎が一番多く、次に胆嚢炎、胆嚢結石となっています。いずれの疾患も、積極的に胸腔鏡下手術を行っており、低侵襲で質の高い医療を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折、人工骨頭挿入術 肩、股等 148 24.9 28.70 93.9 83.0 大腿骨人工骨頭置換術
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む) 人工関節再置換術等、定義副傷病なし 63 21.6 24.95 46.0 68.8 人工股関節全置換術(右・左)
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし、定義副傷病なし 54 14.1 21.52 85.2 78.9
【解説】
 整形外科では、救命救急病院の使命である急性期疾患はもちろん、専門性の高い脊椎や関節などの慢性疾患など整形外科全般にわたり対応しています。特に地域連携を大切に考えています。
 一番多い疾患は、大腿骨頚部骨折の手術症例で、平均年齢も83.0歳と高齢者が大半を占めています。大腿骨頚部骨折では地域連携診療計画(連携パス)を活用し、転院後は連携先でのリハビリテーション治療を継続して行っています。
 地域連携を積極的に行っていますので、3疾患の平均在院日数は全国以下となっています。 
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む)、鼻骨骨折整復固定術等、手術・処置1なし、手術・処置2なし 14 6.1 5.86 0.0 39.9
03001xxx0110xx 頭頸部悪性腫瘍、頸部悪性腫瘍手術等、手術・処置1あり、手術・処置2なし 13 5.6 14.02 0.0 80.2
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)、皮膚悪性腫瘍切除術等、手術・処置2なし 11 5.1 10.49 0.0 73.5
【解説】
 県内では数少ない独立した形成外科部門として、耳介変形、多指・合指症などの体表先天異常、母斑・血管腫、皮膚癌などの良性・ 悪性皮膚腫瘍、顔面・四肢・胸腹部の醜状瘢痕、褥瘡・難治性潰瘍などを対象とし専門的診断・治療を行っています。
 救命救急センターと連携し重症多発外傷(特に 顔面・四肢)患者も積極的に受け入れており顔面損傷が1位となっています。
 また、皮膚皮下腫瘍の多くが地域のかかりつけ医からの紹介患者です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満)手術なし、手術・処置1なし、手術・処置2 3あり、定義副傷病なし 150 12.6 18.08 42.0 72.8 ラクナ梗塞
心原性脳梗塞
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷、手術なし、手術・処置2なし、定義副傷病なし 60 5.5 7.52 15.0 57.7
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷、その他の手術あり、手術・処置2なし、定義副傷病なし 60 8.8 10.02 20.0 72.6 慢性硬膜下血腫術
【解説】
 救命救急センターでは24時間体制で脳血管障害、頭部外傷などの重症患者を積極的に受け入れており、脳梗塞が1位、頭蓋・頭蓋内損傷が2位、3位となっています。
 また、専門医が院外にいても、スマートフォンやタブッレト型端末で放射線画像を参照することができる診療支援システムを導入し、早期診断や、早期の治療開始に効果を発揮しています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx02000x 閉塞性動脈疾患、動脈形成術、吻合術、指(手、足)の動脈等、手術・処置1なし、1あり、手術・処置2なし、定義副傷病なし 21 13.2 17.43 4.8 74.0 大腿-膝窩(F-P)、大腿-大腿(F-F) バイパス術
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患、動脈塞栓除去術、その他のもの(観血的なもの)等、手術・処置1なし、1あり、手術・処置2なし、定義副傷病なし 16 6.1 5.99 12.5 76.5 大腿-膝窩(F-P)、大腿-大腿(F-F) バイパス術
050163xx02x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 なし 13 13.8 18.04 15.4 69.5 腹部大動脈瘤人工血管置換術
【解説】
 心臓血管外科では、閉塞性動脈疾患が1位、2位と上位を占めています。
 3位は非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤となっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 58 24.0 20.87 17.2 32.2
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 54 8.2 9.94 0.0 33.4 帝王切開術
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 24 3.2 6.01 0.0 34.6
【解説】
 当院の分娩件数は年間500例程ありますが、そのうちの自然分娩はDPC除外のため上記症例には含まれていません。
 症例の1位は早産、2位は胎児及び胎児付属物の異常、3位は妊娠中の糖尿病となっており、いずれの平均年齢も30歳を超えています。
、いず
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害、手術なし 148 6.3 5.31 2.7 68.9
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎、手術なし 71 5.3 5.53 0.0 39.0
030428xxxxxxxx 突発性難聴 69 12.0 9.60 0.0 59.4 突発性難聴
【解説】
 耳鼻咽喉科では眩暈症が一番多く、全症例の21%を占めています。2位は扁桃周囲膿瘍・急性扁桃炎・急性咽頭喉頭炎、3位は突発性難聴です。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 5.5 8.97 0.0 74.3
080011xx99xxxx 急性膿皮症、手術なし 6.3 11.97 0.0 47.7
【解説】
 皮膚科での入院患者は少なく3位の症例はありませんでした。1位は帯状疱疹、2位は急性膿皮症です。
 なお、症例数が10未満の場合は患者数を非表示としています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍、手術なし、手術・処置1あり 92 2.1 2.72 0.0 71.2 前立腺生検
110070xx0200xx 膀胱腫瘍、膀胱悪性腫瘍手術、経尿道的手術、手術・処置1なし、手術・処置2なし 56 8.6 7.59 1.8 77.7 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患、その他の手術あり、定義副傷病なし 27 5.2 6.90 40.7 83.3
【解説】
 泌尿器科では、前立腺癌を疑い組織を調べる検査(前立腺生検)の症例が92件と1位となっています。
 2位は膀胱腫瘍、3位は上部尿路疾患となっており、平均年齢はいずれも70歳以上でした。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍、卵巣部分切除術(膣式を含む)、腹腔鏡によるもの等 64 5.4 6.50 1.6 45.8 婦人科:腹腔鏡手術
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍、子宮全摘術等 41 8.1 10.18 4.9 46.9 腟式単純子宮全摘術
12002xxx99x40x 子宮頚・体部の悪性腫瘍、手術なし、手術・処置2 4あり、定義副傷病なし 38 3.4 5.33 0.0 62.5 婦人科化学療法(パクリタキセル・カルボプラチン):前日入院
婦人科化学療法(パクリタキセル・カルボプラチン):当日入院
【解説】
 1位は卵巣の良性腫瘍、2位は子宮の良性腫瘍、3位は子宮頸・体部の悪性腫瘍となっています。
 婦人科では、良性疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など)で手術が必要だと判断された場合には、腹腔鏡下手術を第一選択にしています。入院期間が短く、早い社会復帰が可能で、1センチ前後の傷が2~3ヶ所に残るだけなので美容的にも優れています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 102 22 24 37 57 1 7
大腸癌 24 42 51 52 29 2 8
乳癌 17 29 33 1 7
肺癌 31 48 32 1 7
肝癌 10 23 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
 5大癌について、初発患者はUICCのTNMなどから示される病期分類に患者数を、再発患者については期間内の患者数としています。
 ※UICC TNM分類とは、癌の進行度を判定する基準として国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)採用の癌の分類方法です。28の部位ごとに各種の検査結果から原発癌の大きさ、広がり、深さを(T)、原発癌の所属リンパ節転移の状況を(N)、他の臓器への遠隔転移状況を(M)として、区分し、それらを総合して病期(ステージ)を判定しています。
【解説】
 当院は、がん診療連携推進病院として、各種の癌に対し、ガイドラインに基づいた標準的な治療を行うとともに、手術治療、放射線治療、薬物療法を効果的に組み合わせた「集学的治療」を行っています。
 5大癌のうち、当院では、胃癌、大腸癌、肺癌の患者割合が高知県内でも高く、特に胃癌に対しては、拡大内視鏡による早期発見、早期内視鏡的治療が特性であり、初発患者の55%がステージⅠの早期患者となっています。
 また、大腸癌、肺癌についても、腹腔鏡、胸腔鏡下手術を積極的に行い、術後のステージに基づいて、化学療法などの補助療法を徹底して行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 38 12.9 51.5
重症度 1 47 15.3 71.0
重症度 2 72 19.7 81.5
重症度 3 53 23.7 85.9
重症度 4 15 24.6 87.3
重症度 5 21.0 86.0
不明
【定義】
 肺炎は、発症する環境によって、3つに分類することができます。日常生活を送っている方が発症する「市中肺炎」、介護施設や療養施設内で発症する「医療・介護関連肺炎」、そして病院内で発症する「院内肺炎」です。
 この指標は、市中肺炎で入院した15歳以上の患者について、「A-DROPスコア」と呼ばれる重症度分類を用い、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示したものです。
【解説】
 症例数は中等症である重症度2の患者が72名と一番多く、重症度が高くなるにつれて、平均在院日数が延び、平均年齢が高くなる傾向があります。
 なお、重症度5の患者は10未満でしたので、非表示としています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 29 3.4 71.1 0.0
その他 2.7 82.7 0.0
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内
その他
I63$ 脳梗塞 3日以内 273 16.4 75.9 52.5
その他 32 21.8 73.6 6.2
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内
その他 38 8.7 73.5 0.0
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 28.0 63.0 100.0
その他
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内
その他 8.5 55.0 25.0
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内
その他
【定義】
 脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。
 病名は、DPCの「医療資源を最も投入した傷病名」のICD-10コードの上3桁で集計しています。
 ※ICD-10:International Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の略称で、世界保健機関(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した、傷病に関する分類です。現在は、1990年(平成2年)のWHO総会で改定された、第10回修正版(ICD-10)が採択されています。
【解説】
 脳梗塞(I63$)に分類される症例が最も多く、発症3日以内の脳梗塞が全体の約71%を占めています。
 救命救急センターである当院では、発症して早期に入院される患者さんがほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が全体の約79%と高率となっております。
 また、「脳卒中地域連携パス」を使用し、回復期を担う県内の多くの医療機関と連携しながらリハビリテーションの継続などの継続治療を行っておりますので、転院率も高くなっています。
 なお、平均在院日数、平均年齢、転院率が計上されていて、「患者数」が非表示の項目については、患者数10人未満でしたので非表示にしています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 124 1.0 2.0 0.8 69.3 経皮的冠動脈形成術・冠動脈ステント術(足より)
経皮的冠動脈形成術・冠動脈ステント術(手首・腕より)
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 119 0.2 1.3 0.0 67.5 大腸ポリペクトミー
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 94 1.8 9.6 22.3 77.4
【定義】
 各診療科別に手術件数の多い3術式について、Kコード、名称、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を掲載しています。なお、患者用パスについては公開していません。
 患者数が10人未満については非表示としています。
【解説】
 当院の内科は、一般内科、糖尿病腎臓内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科で治療をおこなっています。
 一番多い手術は、循環器内科で施行する経皮的冠動脈ステント留置術です。この手術は、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)に対する心臓カテーテル治療で、ステントという拡張可能な小さいメッシュ状の金属の筒を血管に留置します。留置したステントは、再閉塞しないよう冠動脈内に留まり血管をささえ続けます。
 2位と3位は消化器内科で施行する内視鏡手術です。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 0.0 9.3 0.0 0.0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 0.0 6.0 0.0 0.0
K0151 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25平方センチメートル未満) 4.0 10.0 0.0 16.0
【解説】
 当院の分娩件数は年間500例程あり、小児科では新生児・未熟児に対しても必要な治療を行っています。
 小児科での1位、2位は仮死状態で出生した新生児に対する蘇生術になります。
 上位3手術とも患者数が10人未満のため非表示にしています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 124 1.0 4.9 5.6 64.5 腹腔鏡下胆嚢摘出術
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 67 0.3 3.1 1.5 40.4 虫垂切除術
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 46 1.1 2.7 2.2 66.3 腹腔鏡下ソケイヘルニア手術
【解説】
 外科では、積極的に腹腔鏡、胸腔鏡手術を行っており、低侵襲で質の高い医療を目指しています。
 上位3手術とも腹腔鏡下での手術となっており、低侵襲で体への負担が軽減されることから入院期間の短縮につながっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 139 2.9 20.5 84.2 79.8 大腿骨頚部骨接合術
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 92 1.5 19.2 46.7 71.8 人工膝関節全置換術(右・左)
人工股関節全置換術(右・左)
K0593 骨移植術(軟骨移植術を含む)同種骨移植術(非生体) 84 4.7 26.8 61.9 70.4
【解説】
 整形外科では大腿骨に対する症例が一番多く、1位の手術部位も大腿骨が最も多くなっています。
 2位の人工関節置換術は、変形性関節症に対する関節内手術で、部位は股関節が59例で1番多く、2番目は膝関節の23例となっています。
 整形外科は、全体的に高齢者が多いため3手術とも平均年齢が70歳を超えています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 35 0.3 4.8 0.0 76.2
K0151 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25平方センチメートル未満) 19 0.2 8.2 0.0 71.8
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 13 0.5 3.7 0.0 43.2
【解説】
 1位の皮膚悪性腫瘍のうち、半分以上が頭頚部の悪性腫瘍です。
 2位は皮弁作成術、3位は四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術で、3手術とも転院率は0%となっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 45 0.8 12.1 40.0 80.0 慢性硬膜下血腫術
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 36 2.4 10.8 16.7 74.8 頚動脈内膜剥離術
K386 気管切開術 21 3.5 43.0 85.7 73.5
【解説】
 1位は、外傷による慢性硬膜下血腫や非外傷性頭蓋内血腫に対しての洗浄術になります。
 2位は、内頸動脈狭窄症の有用な治療法である血栓内膜摘出術になります。
 3位は、脳の障害によって自発呼吸が困難な状態であって、気管挿管が不可能な場合や長期にわたって挿管が必要な場合に行う気管切開術になります。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6146 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 21 2.3 17.6 14.3 75.4 大腿-膝窩(F-P)、大腿-大腿(F-F) バイパス術
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 17 0.9 7.8 11.8 72.3 大腿-膝窩(F-P)、大腿-大腿(F-F) バイパス術
K6145 血管移植術、バイパス移植術(下腿、足部動脈) 15 2.1 21.7 20.0 74.3 大腿-膝窩(F-P)、大腿-大腿(F-F) バイパス術
【解説】
 動脈硬化などの原因で血管が細くなったり、詰まったりすると痛みや機能障害がでます。1位と3位は、細くなっている血管の代わりに人工血管を体内に埋め込む血管移植術、バイパス移植術となっています。1位がその他の動脈、3位が下腿、足部動脈です。
 2位は、動脈硬化などの原因で血管が細くなっている部分を専用の風船での拡張やステントという金属の筒を留置して治療する四肢の血管拡張術・血栓除去術です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 66 5.1 6.0 1.5 33.7 帝王切開術
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 35 2.4 6.0 0.0 31.8 帝王切開術
K893 吸引分娩術 15 5.9 6.1 0.0 34.8
【解説】
 当院の分娩件数は年間500例程あり、上位3位すべてが分娩に関する手術になります。
 1位、2位が帝王切開術、3位が吸引分娩術になり、晩婚化に伴い平均年齢はいずれも30歳を超えています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 59 1.1 7.5 0.0 32.2 両口蓋扁桃摘出術
小児口蓋扁桃摘出術
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 58 1.5 4.3 3.4 62.8 喉頭微細鏡手術(直達鏡下喉頭腫瘍摘出術、喉頭ポリープ切除術)
喉頭微細鏡手術(直達鏡下喉頭腫瘍摘出術、喉頭ポリープ切除術)(2泊3日)
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 47 1.5 6.4 0.0 57.4 局麻下鼻内手術
全麻下内視鏡下鼻内手術
全麻下内視鏡下鼻内手術(アスピリン喘息)
【解説】
 耳鼻咽喉科では、扁桃炎肥大症に対して行なう口蓋扁桃摘出術が1位になっています。平均年齢は32.2歳ですが、3歳から84歳までの幅広い方に施行しています。
 2位は、良性腫瘍や悪性腫瘍に施行する喉頭腫瘍摘出術となっています。3位は、慢性副鼻腔炎に対して行う内視鏡の副鼻腔手術となっています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 58 1.6 6.5 1.7 77.4 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 50 0.7 8.1 42.0 79.2
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 25 7.4 12.4 4.0 69.0 内シャント造設術
【解説】
 泌尿器科の1位は、膀胱癌に対する経尿道的手術になります。
 2位は、結石に伴う水腎症や腎盂腎炎などの要因により発症した尿管(腎から膀胱までをつなぐ管)の通過障害を解除する目的で行なう尿管ステント留置術になります。
 3位の内シャント又は外シャント設置術は、腎臓の機能が低下して血液透析が必要となった時に行なう手術です。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 91 1.1 3.3 1.1 42.8 婦人科:腹腔鏡手術
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの) 38 1.6 6.9 7.9 55.2 婦人科開腹術:腰椎麻酔
婦人科開腹術:全身麻酔
K877 子宮全摘術 35 1.2 7.1 5.7 50.1 腟式単純子宮全摘術
【解説】
 1位、2位は子宮附属器腫瘍摘出術になります。附属器とは卵巣や卵管を意味し、摘出術の1位は、体への負担が少ない「腹腔鏡によるもの」で7割強、2位は「開腹によるもの」で3割弱になり、術後日数に違いが表れています。
 3位は子宮筋腫、子宮癌や卵巣癌などの疾患に対して行う子宮全摘術になります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0.08
異なる 0.03
180010 敗血症 同一 0.00
異なる 125 1.33
180035 その他の真菌感染症 同一 0.02
異なる 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 39 0.41
異なる 32 0.34
【定義】
 医療資源を最も投入した傷病名が「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌症」、「手術・術後の合併症」について、入院契機病名(入院し治療する必要があると判断する根拠となった傷病名)と同一か否かで集計しています。
 発症率(%)は各集計項目ごとの患者数/全退院患者数(9,418人)で算出しております。
【解説】
 厚生労働省による平成26年度のDPC対象病院全国平均は、播種性血管内凝固症候群:0.17%、敗血症:0.56%、その他の真菌症:0.04%、手術・処置等の合併症:0.70%で、当院は一部全国平均を上回っています。
 なお、患者数が10人未満については非表示としています。
更新履歴
2016/9/29
医療機関のDPCデータの質の向上、分析力と説明力の向上を目的として、上記7項目を集計し公表しています。