RST(呼吸サポートチーム)

 RSTとは医師や看護師、呼吸療法士、臨床工学士などが専門的知識を持ち寄り、院内における呼吸療法が安全で 効果的に行われるよう、サポートするチームのことです。近年、人工呼吸器装着患者はICUで管理することが望ましいと言われていますが、全ての人工呼吸器装着患者をICUに入室させることは困難です。また当院は救命救急センターであり、ICU在院日数は平均約4日であることから、人工呼吸器を装着したまま一般病棟へ転棟することもあります。そこでRSTが中心となって一般病棟での人工呼吸器からの離脱を行っております。そのためには人工呼吸についての知識も当然重要になってきますので、年に5回の人工呼吸の講義を行っております。
 人工呼吸器からの離脱には全身状態の評価は不可欠であり、週に1回のラウンドでは医師、看護師、理学療法士が集まり活発なカンファレンスが行われております。最初は時間がかかりましたが、今ではRSTのみならず患者と関わる看護師全体が要領を得てきて、人工呼吸だけでなく全身状態の評価が向上し、医療全体の質が上がっているのではないかと思われるほどです。

主な活動内容・活動の特色

○主な活動内容
 平成21年度より呼吸器離脱を目的に活動してきました。
 RSTの活動により、昨年1年間で人工呼吸器装着患者37名の呼吸器離脱に成功しました。医師と共働しながら患者の全身評価を行い、SBT(Spontaneous Breathing Trial)〜自発呼吸トライアル〜による継続的な自発呼吸訓練を行い、呼吸器離脱を進めております。

○活動成果と活動の特色
 RSTの活動により、患者側と医療者側の双方で大きな成果が見られました。呼吸器離脱をめざしてチームで患者と 向き合うことで患者様本人の回復に対する意欲の高まりが感じられ、離床が大きくすすんだことが大きな成果であったと思われます。また医療者側の成果としては、重症病棟から一般病棟へのスムーズな転棟・転院の流れができたこと、呼吸器を離脱できた達成感から看護師のウイニングに対するモチベーションが向上したことがあげられます。
 また、昨年1年間のウイニングプロセスを振り返り、「ウイニングプロトコールコース(4コース)」を作成しました。現在は患者様の状態に適した「ウイニングプロトコールコース」を選択し、コースに沿って呼吸器離脱を進めております。


各スタッフの活動紹介

医師

 医学の発展により、日本は世界一の長寿国と言われております。特に先端医療技術の発達は目覚ましく、当院でも 様々な医療機器を用いた治療が行われております。その中でも特に人工呼吸器は常時10台以上稼働している状態であり、その需要はますます増加する一方です。
 このような環境の中、我々はICUならびに病棟で人工呼吸器を使用している患者が少しでも楽な環境に向かうよう、人工呼吸器の設定をはじめとしたコンサルテーションを受けております。また、長期にわたり呼吸管理が必要であった 患者には、積極的にSBT(Spontaneous Breathing Trial)等を行い呼吸器離脱を進めております。呼吸器離脱の評価はRSTスタッフと共に1週間の1回の定期的なラウンドにより実施しております。
 また呼吸に関する院内教育として勉強会(@グラフィックモニターの読み方、A基本的な換気モード、B画像(胸部XP、 胸部CT)の読み方、CSBT、D事例から学ぶ人工呼吸器)を実施し、院内スタッフが少しでも人工呼吸器に対してなじめるように試みております。

看護師

 私たち看護師は、事故や病気により人工呼吸器装着を余儀なくされた患者様に対して1日でも早く呼吸器が離脱できるよう援助を行っています。人工呼吸器からの離脱を安全に行うために、経時的に患者様の状態を観察しながらSBTをすすめています。日々の看護では、全身状態の観察、患者・家族の訴えを聞きながら、精神面でのフォローも行っています。
 安全でかつ質の高い医療が求められる人工呼吸器管理では医療者側に常に密接なチームワークが求められます。医師や理学療法士、臨床工学士など、チームで連携をとりながら日々頑張っております。

理学療法士

 人工呼吸器装着中の患者は、ベッド上安静を要します。そのため痰の貯留や、筋力が弱る、関節が固くなるなどの 廃用症候群(安静にすることで起こる様々な合併症)を引きおこすことがあります。これらを予防し、呼吸器からの離脱がより効果的に行えるよう、患者個々の必要性に応じ、以下の様な呼吸リハビリを提供します。
 ○ 看護師と共働し、早期に「起きる」「座る」ことを促し廃用症候群の予防、改善に努めます。また、痰を自分の力でだせない患者には、喀痰の為に有効な姿勢管理や介助を行います。
 ○ 呼吸筋トレーニングを行います。呼吸筋が弱っているのか疲労しているのかを判断し、トレーニングの強度を調整します。
 ○ 「立つ」「歩く」などの練習を通して、手足の筋力及び呼吸筋の筋力維持、強化を図ります。
 ○ 胸の動きが硬く呼吸器をしづらい患者には、胸郭の可動性や柔軟性の改善を図ります。

臨床工学技士

 生命維持管理装置である人工呼吸器が、患者にとって安全・安心な装置であるように、点検・管理しております。
 1週間に1度、病棟をラウンドし正常作動しているか、安全な使い方がされているか等の点検を行い、また3ヶ月以上 連続使用している呼吸器は、交換し点検を行っています。小さなトラブルも生命にかかわる呼吸器ですので、常に安全な状態で使用されることを目標に知識・技術の向上に取り組んでいます。

お問い合わせ先

〒780−8562 高知市新本町2丁目13番51号 高知赤十字病院
担当:救命救急センター外来師長 急性重症患者看護専門看護師 井上 和代
TEL:088-822-1201(代表) / FAX:088-822-1056