先輩の声

平成18年度採用者

徳島大学

高知赤十字病院臨床研修プログラム

 大学医学部の学生は5年生にもなると本格的に卒業後の臨床研修の場を考え始めます。地元に帰るのもよし、大学に残るのもよし、思い切って首都圏の有名市中病院にトライするのもよし。その後の医師人生を左右する重要なポイントになる可能性が高く、学生ながらも皆真剣に考え込みます。その病院選びの基準となるポイントは実に多種多様です。病院の病床数、医者数、外来及び入院患者数、設備、手術件数、救急車受入台数はもちろん、どのような研修プログラムが組まれているか、どのような指導医が在籍しているか、先輩研修医の評判はどうか、研修終了後どのような道に進む事になるのか、果ては身分や給料、病院の立地条件、近くにコンビニがあるかどうかまで調べ上げ、考慮に組み込みます。もちろん重要視するポイントは人によって異なりますが、つまるところ「どんな、どれだけの、医師として最低限の知識や技術を身につけることができるか」が最重要に考えられることが多いかと思われます。
 さて、そのような様々な因子を考慮に入れた上でこの高知赤十字病院を第一希望とし、希望通りの病院で2年間の研修を終えた私が今考えること、それは「大事なのはそこではなかった」です。それは私がこの病院での研修に、学生時代には考えもしなかった点において心から満足しているからなのです。それは「人」。知識より技術より「人」。2年間私は本当に「人」に恵まれた。医師のみならず、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、救急隊員、事務員、そして患者。様々な立場の「人」と出会い、様々な話をし、考え、笑い、時には泣いた経験は、医師としてはまだまだ幼児期にいたに等しかった私にとって全てが新鮮なものであり、また心に残るものでした。そしてこの経験こそが、これから医師として成人していく私の立場、考え方、人となりを決定づけていく気がしてなりません。臨床研修を送る上で本当に大事なのは、専門医として知識や技術を深めていく前に、様々な「人」と出会い、多くのことを「感じ」ておくこと、専門医ではないからこそできる「感じ」方をしておくこと、なのではないでしょうか。
 高知赤十字病院での臨床研修では、本当に多くのすばらしい「人」と出会い、様々なことを「感じ」、経験をすることができたこと、心から満足しています。全ての病院スタッフの皆様、もちろん全ての指導医先生方々、2年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。またふと戻ってくる事もあるかと思われますが、その時には是非またよろしくお願い致します。

徳島大学

高知赤十字病院臨床研修プログラム

 あっという間の二年間でした。特に後半数ヶ月は、あれよあれよという間に過ぎ去っていき、気づけば研修も終了の時期になっていました。
 二年前を思い起こしてみると、研修が始まり、まず困ったことは土佐弁でした。病棟の看護師さんの言葉がきつく感じられ、患者さんの訴えの意味がわからず、本当に苦労しました。そしていざ患者さんを前にすると頼りなく、必ずといっていい程看護師さんと間違われていました。
 また、正直夜間の救急外来は私にとって恐怖でした。一次の患者さん一人診察するにしても、病態はもちろん、薬の名前ひとつもろくにわからず、処方もだせず、指示もできず、頭が真っ白になり上の先生方や看護師さんには多々ご迷惑をおかけしました。それでも、直属の先生はもちろんのこと、看護師さんを始め、コメディカルの人たちの温かさに助けられ、無事に二年間の研修医生活を終えることができそうです。研修が始まる頃は、全身がしっかり診れる医者になりたい、そう思っていた私ですが、研修が進むにつれて、数ヶ月単位のローテートではなかなか難しいな、というのが正直な感想です。しかし、二年間を通してみさせていただいた救急外来の初診時の対応や、各科へのコンサルテーションのタイミングなど、自分でできることとできないことの区別をはっきりつけて、後手にまわらないようにこれからの診療に役立てていきたいと思っています。
 この病院のすばらしいところは、やはり診療科間に垣根のないことでしょうか。研修医の私たちが他科の先生に気軽に相談でき、また各科の先生方は真剣に私たちの話を聞いてくださり、私たちの立場を考えてくださり、時には真剣に怒ってくださり、本当にご迷惑をおかけしましたが、恵まれた環境だったと思います。また、コメディカルの人たちと近くで仕事ができたおかげで、みなさんの仕事の大変さを知る事ができました。コメディカルの人たちの患者さんに対する接し方、熱意には学ぶところが多かったです。
 また、高知にあまり知り合いのいなかった私ですが、同年代の先生方はもちろんのこと、かわいい後輩もでき、看護師さんやリハの人たちにも本当に仲良くしていただき、励まされ、公私共に素敵な思い出がたくさんできました。何もできずに迷惑をかけてばかりいた私ですが、各病棟に行くと、優しく声をかけてくださったり、いろいろ教えていただいたり、また遊びにも誘っていただいたり、本当に感謝しています。ここで出会った人たちとは一生つきあっていけると思っています。何年か後にはもう少しできる医者になってこの病院に帰ってきたいと思っています。
 四月からは研修医という肩書きがはずれ、一人でしっかりやっていかなければなりません。不安でいっぱいですが、この病院で学んだことを忘れず、驕らず、日々精進していきたいと思っています。
 最後になりましたが、各科の先生方、看護師さん、放射線技師さんはじめコメディカルの方々、二年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。

徳島大学

高知赤十字病院臨床研修プログラム

 卒後臨床研修制度が必修化されて私たちの学年で3年目となりましたが、卒業時に入局科を決めていた私は正直、この制度に大いなる疑問と不満を抱いていました。それでもどうせならば救急のできる病院へ行きたいと思って第一希望で選んだ病院が、高知赤十字病院でした。
 1年目の4月、ドキドキの救急部から研修がスタートし毎日が無我夢中で、国家試験の知識なんぞ目の前の患者さんには何の役にも立たないと感じながら右往左往。それでも指導熱心な先生方やフットワーク抜群の看護師さんたちに支えられながら、少しずつ医師生活のリズムと救急車の音に慣れてきた頃には救急部の研修が終わっていました。それから外科・内科と順番に回り、一定期間それぞれの専門科で研修していくなかで『研修医制度って案外想像していた以上に良いかもしれない』と思うようになっていました。特に私の場合は呼吸器内科に進むことを初めから表明していたため、各科の先生方も将来に生かせる知識を中心に指導してくださるなどの配慮もしていただきました。
 そして2年目はこれまた正直、これらの研修は必要なんだろうか・・・と思いつつスタートしたものの、実際各科の研修をしていると、きっとこの制度がなければ決して経験しなかっただろうし、経験できて良かった!と思える数々の経験をさせていただきました。麻酔科では1ヵ月という短期間の中で挿管手技を出来る限りさせて頂き、小児科で子供の小さな手足にも点滴が出来るようになったことは大きな大きな収穫でした。産婦人科では分娩や帝王切開を数多くみることができ、今後もし万が一どこかの山奥で突然のお産に出会ってしまっても、腹をくくって取り上げられるような気がします。精神科では、内科入院の高齢者でも多いせん妄や軽い抑うつ状態の対処法を学ぶことができたことや、近隣の精神科病院で実際の医療現場を見たりそこで働く先生方との面識ができたことで、その後も患者さんのコンサルトがしやすくなり地域連携の重要さを実感しました。最後の地域保健では健診センターや保健所、往診など病院外の様々な医療現場を見るいい機会となり、恥ずかしながら人生初の献血も体験しました。
 振り返ってみると、研修医という立場だったからこそあらゆる科の先生方や看護師さん、放射線科、薬剤部、検査部の方々にも臆面もなく何でも聞くことができ、またこの病院全体の雰囲気や環境がそれを可能にしてくれていたのだと思います。卒後臨床研修制度も5年目に見直しが進められており、他院の研修医の話を聞くにつけ賛否両論、悲喜交々な制度ではあるようですが、私はこの2年間高知赤十字病院で研修できたことに非常に感謝しています。もしまたいつかここへ派遣されて働くことがあるようならば「あのウロウロバタバタしよった研修医が、ちょっとは成長したなあ」と言ってもらえるように、これからも頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました。