医療現場最前線

「頭を切らない、新しい脳の手術」 脳血管内治療

 急性期脳梗塞は頭の中の血管が詰まる病気で、詰まる部位により様々な症状が生じます。しかし、血管が完全に詰まる前に血流を回復させることによって、症状の劇的な改善を得られる可能性があります。
 急性期脳梗塞の治療ではrt-PA(アルテプラーゼ)静脈注射※1が確立されていますが、大きな脳動脈(内頚動脈や中大脳動脈)の場合には、rt-PA静脈注射を行っても血流が回復しない場合があります。
 そこで、引き続いて行うカテーテル治療によって血流を回復させる方法が、血管内治療(血行再建術)です。
 血管内治療は、脳神経血管内治療専門医という非常に専門性の高い資格を有した医師により行われますが、現在、高知県にこの専門医が在籍する施設は、当院を含め5施設と限られています。 当院では、「患者さまの後遺症を少しでも減らしたい」と、24時間体制で「脳卒中」患者さまに対応しています。

※1 超急性期の脳梗塞に対し、血栓を溶かす薬(血栓溶解薬 rt-PA)を使って、脳への血液の流れを早期に回復させ、脳を障害から救う治療法。
治療方法
カテーテルを足の付け根の血管から挿入し、頭の血管へ進めて行う「脳の手術」で、頭皮を切開したり、開頭(頭がい骨を開く)することなく、血管の中からアプローチする新しい手術方法です。
手術では、脳内の血管の詰まった部位、状況を診断し、吸引カテーテルシステム下図@ やステントリトリーバー下図A(血栓を引き抜くステント付ワイヤー)を用いて血流を再開させます。
  • @吸引カテーテルシステム
  • @吸引カテーテルシステム
  • Aステントリトリーバー
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